2014年3月7日金曜日

信用格付:相次ぐ格下げ、韓国企業に何が起きたのか、韓国経済の危機へ、中国との競争激化

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朝鮮日報 記事入力 : 2014/03/07 08:37
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/07/2014030700618.html

信用格付:相次ぐ下方修正、韓国企業に何が起きたのか

 ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスなど世界的な信用格付け機関が最近、韓国を代表する企業の格付けを相次いで下方修正している。
 その理由はさまざまだ。
 中国企業との競争激化、
 消費低迷による収益性低下、
 実際の業績面での減収減益
などだ。
 既に韓国の大企業上位10社のうち、
 LG電子、ロッテショッピング、ポスコ、GSカルテックス、KT
の5社の格付けが昨年末以降、1段階引き下げられた。

 格付け機関は企業の経営状況、今後の見通しに基づき格付けを決定する。
 韓国企業の相次ぐ格付け下方修正は、韓国企業が昨年に続き今年も苦戦するのではないかという見方が海外で広がっていることを示していると言えそうだ。

■主力企業で相次ぐ格下げ

 ムーディーズは先月4日、KTの格付けをA3からBaa1へと1段階引き下げた。
 引き続き投資適格の範囲内だが、リスクがほとんどないことを示すAクラスからは転落した。
 ムーディーズがAクラスの格付けを維持している韓国の民間企業は、
 サムスン電子、
 SKテレコム、
 LG化学
の3社のみとなった。

 ムーディーズは先月6日にはLG電子の格付けをBaa2からBaa3に1段階引き下げた。
 Baa3は投資適格に相当する10段階で最下位の格付けだ。
 ムーディーズは翌7日にもGSカルテックスの格付けをBaa2からBaa3に引き下げた。

 ムーディーズはさらに先月28日、ロッテショッピングの格付けをBaa1からBaa2に1段階引き下げた。
 ほか、今月3日にはSオイルの格付け見通し(現在Baa2)を「安定的」から「弱含み」へと引き下げた。
 格付けを下方修正することがあり得ると予告した格好だ。
 昨年末にはフィッチがポスコの格付けをトリプルBプラスからトリプルBへと引き下げている。

■中国との競争激化

 ムーディーズは、LG電子の格付け下方修正に関連し、
 「中国のスマートフォン(多機能携帯電話)メーカーの競争力が高まり、収益性に影響を与える」
との見方を示した。

 GSカルテックスについては、
 「中国などの生産能力拡大で苦しい経営環境に直面した」
と指摘した。
 いずれも中国企業との競争激化で、韓国企業の苦戦を予想したものだ。
 ポスコの格付け下方修正も、中国の鉄鋼過剰供給による収益性低下が主因だった。

 ムーディーズはまた、ロッテショッピングの格付けを下方修正した背景について、
 「負債レベルが高く、負債を縮小できる見通しも不透明だ」
とし、
 「国内消費が回復すれば、財務構造も改善する」
と予想した。

 ムーディーズはこのほか、KTについて、
 「モバイル市場での競争激化、固定回線の減収などを考えると、収益性が回復し、A3の格付けを満たすのは当面困難と判断した」
と説明した。

 ムーディーズは昨年末、
 「ウォン高、国内外の急激な景気低迷は、韓国企業の格付け見通しにマイナスに働く」
と指摘した。
 財界関係者は
 「中国が韓国との技術格差を縮め、日本企業が復活しつつある現在の競争構造を格付け機関が注視している」
と分析した。

 しかし、韓国企業に対する相次ぐ格付け下方修正を韓国企業全体の不透明性の拡大と判断するのは尚早だとの指摘もある。

 韓国経済研究院企業政策研究室のキム・ヒョンジョン室長は
 「最近格付けが低下したのは、内外の経営環境がとりわけ悪かった企業であり、韓国企業の事業や財務状況の安定性が全般的に悪化したと断定することはできない」
と述べた。
 ムーディーズは昨年12月、サムスン電子の格付けを引き上げ、スタンダード&プアーズは今年1月、現代自動車の格付け見通しを上方修正した。

 韓国企業の経営戦略がグローバル・スタンダードを100%受け入れられずにいるとの分析も聞かれる。
 ソウル信用評価情報のユン・ヨンファン常務は
 「韓国企業の格付け低下は、世界的な格付け機関による評価基準が財務の安定性をこれまでより厳格に判断する方向へと変わったことと関係している。
 韓国企業も経営戦略をそうした世界的なトレンドに合わせる必要がある」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/03/07 08:40
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/07/2014030700626.html

【記者手帳】外国人投資家にそっぽ向かれる韓国の銀行

 「韓国でお勧めの銀行はどこですか」

 そんな質問を受け、答えに窮した。
 最近出会った世界的な資産運用会社の香港本部に勤める30代のアナリストは、なぜ答えられないのかとけげんそうな表情を浮かべた。

 彼は韓国の銀行を分析するため、韓国入りしたという。
 彼は三つの質問を投げてきた。
1].韓国の銀行の収益性はどうか。
2].薦できる銀行はどこか。
3].情報流出や融資詐欺といった金融事故が相次ぐのはなぜか
という内容だった。

 香港に戻り、韓国の銀行に関するリポートを作成する彼には、できるだけ良い話を聞かせたかった。
 しかし、二つ目の「よい銀行を推薦してくれ」という質問には戸惑わざるを得なかった。

 数日前、A銀行の役員を退任したBさんから聞いたエピソードが頭に浮かんだ。
 Bさんによると、それまで面識もなかったC銀行の支店長がBさんを訪ねてきて、人事上の頼み事をしたのだという。
 新たに就任したC銀行の銀行長(頭取)とBさんがかつて同僚だったと聞き、いきなりBさんを訪ねてきて「なんとか(頭取に)話をしてみてほしい」と言ってきたのだ。
 あきれたBさんは
 「銀行業界でこんな風に人事上の依頼をして歩く国は韓国以外にあるだろうか
と話した。

 銀行の人事が実力や実績ではなく、コネや働き掛けで決まるため、こういうとんでもないことが今でも起きると感じた。

 金融当局は今月1日、銀行が10億ウォン(約9690万円)以上の後援金を支出する場合、ウェブサイトに公表するよう求める規制を導入した。
 銀行は行き過ぎた規制だと反発している。
 しかし、考えてみれば、銀行自身がそういう事態を招いたといえる。
 地方自治体、大学などとメーンバンク契約を結ぼうとして、銀行本来のサービスを充実するのではなく、さまざまな名目で後援金を増やしてきたことが問題視されたのだ。
 金融当局が動かざるを得なくしたのは、取りも直さず銀行だ。

 結局香港から来たアナリストとの1時間にわたる会話は、大半を韓国の銀行の問題点を指摘するために割いてしまった。
 アナリストの最後の質問には思わず恥ずかしくなった。
 「韓国では金融事故が日常的に起きているようですね」
という質問にもまともに答えられなかった。

 結局、彼の結論は
 「韓国の銀行は株価が割安なので、投資する価値があることはあるが、問題があまりに多いようだ。
 (世界的な投資家に)投資を勧めるのは難しそうだ」
というものだった。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/04/09 09:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/09/2014040900754.html

「最近のサムスン電子は全盛期のノキア似」
1-3月の減益は小幅

 サムスン電子が8日発表した2014年第1四半期(1-3月)の決算短信によると、売上高は前年同期比0.3%増の53兆ウォンで、営業利益は4.3%減の8兆4000億ウォンだった。
 昨年第4四半期(10-12月)と比べると、売上高が10.6%減、営業利益は1.1%増だった。

 専門家はサムスン電子が過去3年間の爆発的成長を終え、安定的な収益を上げる時期に入ったとの見方を示した。
 米アップルと並び、世界のスマートフォン(多機能携帯電話)市場で2強体制を構築し、両社でスマートフォン市場で生じる営業利益の大半(97%、昨年現在)を占めたことが評価された格好だ。
 しかし、スマートフォンへの依存度が高い状態に変わりはなく、
 革新的商品を発売できなければ、将来的に危機に直面しかねない
というリスクも存在する。

■スマホは半分成功

 サムスン電子は昨年第4四半期に営業利益が前四半期を18.3%も下回り、成長の限界に達したと指摘された。
 先行き不透明感から株価が下落し、同社の危機論が市場に広まった。

 サムスン電子は危機打開に向け、スマートフォンで「ツートラック路線」と呼ばれる2本立ての戦略を取った。
★.ギャラクシーS、ギャラクシーノートの両シリーズでプレミアム市場をリードする一方、
★.中低価格の商品を数多く発売し、シェアの拡大に努めた。

 シェア拡大戦略は確実に成功を収め、スマートフォンのシェアは2011年の19.9%から昨年は32.3%に高まった。
 今年1-3月のシェアはさらに高まる見通しだ。

 専門家はサムスン電子による1-3月のスマートフォン販売台数を前四半期に比べ5%増の9000万台と見込んでいる。
 これは過去最高の販売台数を記録した昨年7-9月(8840万台)を上回る数字だ。

 韓国投資証券のソ・ウォンソク研究員は
 「3月末までに世界の主な通信キャリアに『ギャラクシーS5』の初期出荷分を供給したため、販売量が予想を上回った」
と指摘した。
 サムスン電子は部門別の業績を発表していないが、証券業界はスマートフォンを生産するIM(ITモバイル)事業部の営業利益が最大で6兆ウォン(約5830億円)に達するとみている。
 上昇を続けるシェアが好業績を支えたと言える。

 一方で、革新的な商品開発は不十分と評価されている。
 戦略商品であるギャラクシーSシリーズの販売量を見れば明らかだ。

 2010年に発売されたギャラクシーSは、1年間で1500万台が売れた。
 後続モデルも発売から1年で、ギャラクシーS2が2750万台、ギャラクシーS3が5200万台を売り上げた。
 新製品を投入するたびに、販売量が倍増したことになる。
 しかし、昨年発売されたギャラクシーS4からは状況が変わり、発売後1年の販売量は5700万台で、S3に比べ10%の伸びにとどまった。
 全体として、スマートフォンをめぐるツートラック路線で、サムスン電子は半分成功を収め、第1四半期の業績は無難な内容となった。

■テレビ・半導体も好業績か

 半導体事業も前四半期並みの2兆ウォン(約1940億円)の営業利益を上げたとみられる。
 主力のDRAM、フラッシュメモリーの価格が高値で推移したためだ。

 テレビ事業部は昨年第4四半期に続き、今年第1四半期も四半期ベースで過去最高の売り上げを記録した。
 このため、テレビ事業部が属する消費者家電(CE)部門の営業利益は、前四半期を30%上回る3300億ウォンに達したと推定されている。

 ディスプレー事業は不振だった。
 証券会社によっては、赤字を計上したとの見方も散見される。

 サムスン電子の将来に関する見方は分かれている。
 証券業界では、第2四半期(4-6月)も業績が伸びるとの見方が優勢だ。
 戦略スマートフォンのギャラクシーS5の販売が本格化するためだ。

 しかし、第1四半期の業績がほぼ市場予想並みだったことが示すように、
 サムスン電子が「予測可能な企業」になりつつある点は警戒すべきだ。
 予想を覆し、市場を揺るがすような革新的商品を発売できなければ、結局は危機に直面するのではないかとの見方だ。
 成均館大の鄭泰明(チョン・テミョン)教授(ソフトウエア学)は
 「半導体・携帯電話・テレビ(ディスプレーを含む)事業が10年間にわたりサムスン電子を支えてきた。
 ここからさらに伸びるためには、アップルのように新たな革新的商品を投入しなければならない」
と指摘した。

 延世大の趙晨(チョ・シン)グローバル融合技術院長は
 「最近のサムスン電子は全盛期のノキアに似ている」
と指摘する。
 10年前のノキアは携帯電話業界で最大手だった
 しかし、低価格商品中心のシェア拡大に頼った結果、スマートフォンを武器にするサムスン電子やアップルに敗れた。
 コンサルティング業者、オリバーワイマンのシン・ウソク理事は
 「サムスンがノキアと同じ轍(てつ)を踏まないためには、シェアに安住することなく、革新的商品に対する投資を増やすべきだ」
と分析した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/05/08 08:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/08/2014050800624.html

韓国10大企業グループ、昨年の税前益15%減

 韓国経済の主軸となる10大企業グループの昨年の税引き前利益が前年に比べ15%減少したことが分かった。
 サムスン電子を除くと、「減少幅は30%を超える急減だった。
 特にサムスングループは、サムスン電子を含めると15%の減益だったが、サムスン電子を除くと77%の大幅減益で、「サムスン電子頼み」の状況が改めて浮き彫りとなった。

 金融情報会社のFNガイドが10大グループ系列企業のうち、12月決算企業87社を分析した結果、税引き前利益は合計で50兆9000億ウォン(約5兆300億円)で、前年(59兆8000億ウォン)を15%下回った。
 サムスン電子を除くと、32%減の26兆7000億ウォン(2兆6400億円)にとどまった。

 減益により税収も大幅に減少した。
 10大企業グループが昨年支払った法人税は11兆2000億ウォン(約1兆1100億円)で、前年を5.8%下回った。
 サムスン電子を除くと、42.3%減の4兆9000億ウォン(約4800億円)だった。

 グループ別では、SKグループを除く全グループで業績が悪化した。

 造船不況に加え、低価格での受注競争に苦しむ現代重工業は82%の減益で、最近大規模なリストラを開始したポスコも41%の減益だった。

 サムスングループの系列企業17社の利益は31兆ウォン(約3兆600億円)で、前年を15%下回ったが、サムスン電子を除いた利益は77.4%減の2兆3000億ウォン(約2300億円)にとどまった。

 韓進グループは1兆1126億ウォン(約1100億円)、GSグループは543億ウォン(約54億円)の赤字だった。

 SKグループの業績改善は、大幅減益となった2012年が比較対象だったためと言える。






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