2014年3月1日土曜日

「安売り合戦」に入ったスマホ:明確な差別化に挑むメーカー

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●堅牢さがウリの「ハイドロ」シリーズ



レコードチャイナ 配信日時:2014年3月2日 7時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84192&type=0

サムスンが「価格競争」を決断、ギャラクシーS5は安さで勝負=日本への影響は?―韓国誌

2014年2月28日、韓国誌「亜州経済」によると、サムスン電子が価格競争で世界スマホ市場制覇を狙う方針を固めた。
 環球時報が伝えた。


●2月28日、サムスン電子が価格競争で世界スマホ市場制覇を狙う方針を固めた。低価格を武器にシェアを伸ばす中国勢。韓国は価格競争で真っ向から迎え撃つ構えだ。写真はサムスン製携帯。

 世界のスマートフォン市場では大激戦が繰り広げられている。
 韓国、米国、欧州、日本などの老舗メーカーがしのぎを削る一方で、中国の新興メーカーもシェアを伸ばしている。
 数年前とは異なりハードウェアでは違いが生み出せないのが現状で、
 低価格を武器にする中国企業がソニーやノキアなどかつての有力企業に勝利している。

 こうした中、サムスン電子は価格競争で真っ向勝負に出る意向を固めたと、ある韓国通信業界関係者が明かしている。
 先日発表されたばかりのフラッグシップ機、ギャラクシーS5は従来よりも1~2割安い値段で販売される見通しだ。

 業界関係者は「サムスン電子はこれまで半導体でもテレビでも値下げによりライバルを圧倒してきた。
 今回のスマホ値下げもまた業界に大きな嵐を巻き起こすことになる」とコメントしている。
 日本でもファンが多いギャラクシーの最新機種だけにその影響が注目される。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/03/21 12:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/21/2014032101712.html

スマート機器:サムスンは多角化、LGは集中戦略で勝負

 「可能性のある基本ソフト(OS)がどれかを試していく」(サムスン電子)
 「ひたすらアンドロイドOSで勝負する」(LG電子)

 韓国電子業界の両雄がスマート機器事業で正反対の戦略を掲げている。
 サムスンは多角化、LGは集中の戦略だ。

 サムスン電子はこれまでに4種類のスマートウォッチを発表した。
 採用したOSは3種類。
①.「ギャラクシー・ギア」にはアンドロイド、
②.「サムスン・ギア2」「サムスン・ギア2ネオ」には、サムスン電子とインテルが合弁で開発した「タイゼン」をそれぞれ採用。
③.「サムスン・ギア・フィット」にはスマートウォッチ用にサムスンが独自開発したOSを選択した。

 これに加え、
④.グーグルが今月19日に発表したスマートウォッチ用OS「アンドロイド・ウエア」を採用した製品も年内に投入する予定で、
 最終的に計4種類のOSを採用することになる。

 一方、LG電子はアンドロイド・ウエアを採用した「Gウォッチ」1種類だけを発表した。同OSが採用されるのは世界初で、今年第2四半期(4-6月)中に発売される予定だ。LGは今後もグーグルとの協力を強化し、新型のアンドロイド製品を続々と投入する計画だ。

 専門家は両社の戦略の違いについて、スマートフォン(多機能携帯電話)市場でのシェアや収益の差が背景にあると分析している。
 サムスン電子が2011年第3四半期(7-9月)から世界のスマートフォン市場で首位を走っているのに対し、LG電子は3-4位で推移している。
 収益の格差はさらに大きい。

 香港の移動通信専門アナリスト、ホレース・デディウ氏によると、過去6年間に世界の携帯電話端末メーカーが上げた利益2150億ドル(約21兆8000億円)のうち、サムスン電子は26.1%を占めた。
 これに対し、LG電子は1.2%にすぎない。

 サムスン電子はスマートフォンで成功を収めている。
 「世界首位」というブランドが定着したため、アンドロイドに執着することなく、さまざまな試みが可能だ。
 同社の申宗均(シン・ジョンギュン)社長(無線事業部長)も
 「顧客が望む製品であれば、どんなものでも発売したい」
と語っている。

 LG電子の事情は異なる。
 2012年に「オプティマスG」で携帯電話の名門復活を遂げたが、まだアンドロイドに集中せざるを得ない状況だ。

 グーグルの両社に対する戦略も異なる。
 サムスンは昨年1月、グーグルとクロスライセンス契約を結んだ。
 既に両社が保有している特許だけでなく、今後10年間に取得する特許を共有する内容だ。

 IT専門メディアの「リコード」は、サムスンとグーグルによる契約を「サムスンに与えたニンジン」と分析した。
 サムスン電子はアンドロイドOSを採用しながらも、アプリ販売プラットフォームの「サムスン・アプス」、コンテンツ販売プラットフォームの「サムスン・ハブ」などグーグルと競合する独自サービスを展開してきた。
 グーグルの影響力から脱するため、パダ、タイゼンなどさまざまなOSも実験してきた。
 そこでグーグルは、サムスンが脇目を振ることがないように、けん制の意味で幅広いクロスライセンス契約を結んだといえる。

 グーグルのLG電子に対する態度は「信頼できるメーカー」に近い。
 LG電子は12年以降、グーグルブランドを付けたスマートフォン「ネクサス4」「ネクサス5」を相次いで開発した。
 今回もグーグル元子会社のモトローラと共に、アンドロイド・ウエア搭載製品を最初に発売するメーカーに選ばれた。
 LG電子の技術力に対するグーグルの信頼が見て取れる。



CNN ニュース 2014.02.28 Fri posted at 11:54 JST
http://www.cnn.co.jp/tech/35044602.html?tag=top;topStories

「自己破壊」するスマホ、ボーイングが開発



 ニューヨーク(CNNMoney) 米航空防衛大手のボーイングが、端末に手を加えようとすると自己破壊するスマートフォン「ボーイング・ブラック」を開発した。
 政府機関の工作員や防衛産業の関係者向けに売り込む予定だという。

 自己破壊といっても、スパイ映画のように端末が煙を上げて爆発するわけではなく、
 保存された内容が完全消去される仕組みだ。

 米連邦通信委員会(FCC)のウェブサイトに26日掲載されたボーイングの説明書によると、ボーイング・ブラックの自己破壊の仕組みは、端末をこじ開けようとすると作動する。
 保存されていたデータとソフトウェアが消去され、端末は使えなくなるという。

 価格や発売日は発表されていないが、この夏にも登場する見通し。
 ただ携帯電話会社の店頭で売り出す予定はなく、
 「対象となるのは国防や安全保障関係の顧客であって、消費者ではない」(ボーイング広報)
という。

 OSは米グーグルの「アンドロイド」を搭載し、通話や端末に保存されたデータは暗号化される。

 ボーイングの携帯電話への進出は初めて。
 しかし同社には通信の安全確保の分野で長年の実績があると広報は話している。



「WEDGE Infinity」 2014年03月21日(Fri)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3629?page=1

北米でヒットする日の丸スマホ
京セラ 携帯電話「ハイドロ」シリーズ

 ガラケー(ガラパゴス携帯)などと揶揄される日本メーカーの携帯電話事業だが、京セラは北米で健闘している。
 スマホ(スマートフォン)機種の本格展開として2012年8月から「ハイドロ」を投入、13年10月までにシリーズの北米累計出荷が300万台を突破した。
 京セラの携帯電話事業は、13年度の世界出荷が前年度を9%上回る1200万台規模となる見込み。北米では韓国サムスン電子、米国アップルなどに次いでシェア4位(13年1~9月)につけている。
 世界出荷の7割を占める北米向けの好調が販売増を支える。

 ハイドロシリーズは初号機から高い防水性能を訴求した。
 ハイドロは「水の」という接頭語であり、商品名でもストレートに特徴を表すようにした。
 電気製品の防水に関する国際規格に合致させ、機種によっては
 水深1メートルで30分水没しても耐えられる
といった性能を確保している。
 13年からは、京セラ独自の音声伝達方式である「スマートソニックレシーバー」の採用や、本体落下時などの耐衝撃性を高めた機種もシリーズ展開した。

 スマートソニックレシーバーはスマホの液晶パネル全体を震わせ、音と振動によって音声を伝える機構であり、受話用の従来型スピーカーはない。
 街の雑踏や工事現場など、通常の携帯電話では聞き取りが困難な環境でも、本体パネルを耳に押し当てれば、余程の大騒音は別として通話に支障はない。
 ピエゾ素子(圧電素子)という電圧の変化によって伸縮する自社の電子部品を活用して開発した。

 このようにして、ハイドロは水をかぶったり、騒音があったりする厳しい環境でも使える「堅牢なスマホ」としての個性を確立していった。
 一般向けのほか、
★.ヘルメットを被った状態でも通話できるため各種現場用に、
★.また聴力の衰えた高齢者や
★.アウトドアレジャー向け
といった用途でも支持を獲得している。

■出遅れた北米スマホ商戦、逆襲の舞台「プリペイド市場」

 京セラの北米での携帯電話事業は、00年に通信機器向け半導体大手の米国クアルコムから携帯電話事業を買収してスタートした。
 08年には高級機種で強かった三洋電機(現パナソニック)からも北米事業を承継し、攻めの態勢を整えていた。

 だが、当時から携帯電話の世界はスマホの登場によって大きくうねり始め、京セラは苦戦を強いられることとなる。
 商品展開などの指揮を執る通信機器関連事業本部マーケティング部長の能原隆(48歳)は
 「三洋さんの事業も一体化し、さぁ、やるぞという時だったが、率直なところスマホには乗り遅れた」
と、振り返る。
 手をこまぬいていたわけでなく、京セラも10年にはスマホの投入を図った。
 だが、ライバル社が液晶やプロセッサーなどのスペックをどんどん引き上げて行くなかで、劣勢は否めなかった。

 11年までの苦戦を踏まえ、能原は焦点を絞った攻めへと転換した。
 「伸びる市場に焦点を合わせ、独自の商品を競争力ある価格で投入する」という作戦だった。
 能原がスマホで「伸びる」と見たのは、「プリペイド」の市場だった。
 米国でも携帯電話は、通信事業者と2年契約して端末を比較的割安に買うというのが主流だが、通信費用を予め定めて経済的に使うというプリペイド方式のユーザーも少なくない。

 スマホ以前から定着していた市場だが、11年ごろには「スマホでもプリペイド式のニーズの萌芽が見えてきた」のを能原は見逃さなかった。
 ただし、費用にシビアな顧客が主体なので、スマホ端末を含め「価格が支配する市場」(能原)だという。
 プリペイドの場合もユーザーは端末を買い取る。
 だが、2年契約といったしばりがないため、通常、通信事業者が端末価格を割り引くことはない。
 その分、メーカーは「競争力ある価格」で供給しなければならないのだ。

 ハイドロシリーズは、モデルの新旧や機能によって異なるが、おおむね100ドルから150ドル(約1万~1万5000円)で販売している。
 他社の2年しばりでの契約よりも一般的に安い価格帯だ。
 京セラのグローバルな生産体制や自社の電子部品が、コスト面の競争力を支えている。

 能原がこだわった商品の「独自性」は前述のように、防水やスマートソニックレシーバーによる通話、さらに耐衝撃性などによって発揮されている。
 初号機から訴求した防水機能は
 「これによって動画が楽しめるといったスマホの本来的機能ではないが、水に弱いという日常使いでの課題にアプローチした」
のだった。
 販売に当たっては水槽を用意し、ハイドロを投げ込んで作動させるといった実演を「全米で草の根的」に展開、地道に認知度を高めていった。

 プリペイド市場を主体とするハイドロは、昨年にソフトバンクによる買収で注目された米国3位の通信事業者、スプリントのグループ企業でまず発売された。
 13年には米国最大手のベライゾン、4位のTモバイルUSなどへの供給も始まり、もう一段の飛躍へと足がかりを固めている。

 能原は1988年の入社以来、一貫して通信機器分野に従事してきた超ベテラン。
 この間の4半世紀は「電話」の技術が飛躍的に進化し、事業者の栄枯盛衰も目まぐるしい変遷を見せた。
 超ベテランの戦略は、そうした変遷のただ中に身を置いて刻まれた蓄積から、絞り出されていると見た。
 北米で健闘するも、「まだ4番手」というのが能原の認識。
 「シェアアップのチャンスがあるということであり、当然、さらに上を目指していく」
と、闘争心も絶やさない。(敬称略)

池原照雄(いけはら・てるお) ジャーナリスト
1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。


スマートソニックレシーバー




【「反日という媚薬」に蝕まれる韓国】


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