2014年2月16日日曜日

あらマア!、韓国はなぜ、祖国を愛する人を追い出すのか:「ロシア代表」韓国人が銅

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朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/16 08:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/16/2014021600378.html

【コラム】韓国はなぜ、祖国を愛する人を追い出すのか
派閥争いで祖国を捨てた安賢洙選手、秋山成勲氏
個人攻撃で閣僚候補を辞退したキム・ジョンフン氏

 ロシア代表「ビクトール・アン」としてソチ五輪に出場したショートトラックの安賢洙(アン・ヒョンス)選手(28)の活躍を見ていると、以前の安選手の発言が意味深長に思えてきた。
 昨年、ロシアのメディアとのインタビューでのことだ。
 「ロシア国籍を取得した後、最もうれしかったことは何か」
という記者の質問に対し、安選手はこう答えた。
 「銅メダルであれ、金メダルであれ、スタッフたちが皆喜んでくれて、仲間の選手たちも皆祝福してくれる。
 そんな姿がとても心地よい」

 韓国はそうではないという趣旨なのだろうか。
 メダルを取っても、仲間の選手たちが祝福してくれないということなのだろうか。

 考えてみれば、思い当たる節は一つや二つではない。
 大韓スケート連盟が、韓国体育大学出身者とそうでない者の派閥争いで悪名高いことは、つとに知られた事実だ。
 両派閥に属するコーチや選手たちが別々に練習を行い、食事も別々に取るほどだ。
 レースではほかの派閥に属する選手が負けるよう、互いにけん制し合うといううわさも絶えない。
 韓国代表時代の安選手も深い悩みを抱えていたことだろう。
 2006年の世界選手権直後、安選手は
 「派閥争いがあまりにも激化し、選手たちが被害に遭っている」
と打ち明けた。

 安選手の「祖国脱出」を全て派閥争いのせいにすることはできないだろう。
 一時期けがで苦しんだことや、所属していたチーム(城南市役所)の解散などといった幾つもの複雑な事情があったように思う。
 だが、スケート界や韓国社会がもっと配慮し、大事に扱っていれば、結果は違っていたかもしれない。
 安選手の父親は
 「スケート連盟が(安選手を)引き止めるどころか、盛りの過ぎた選手として切り捨てた」
と打ち明けた。
 その結果、韓国が生んだ傑出した氷上の英雄が、ロシア代表のユニホームに身を包み、祖国の選手とメダル争いをするという、おかしな状況が展開されることになった。

 韓国と日本を行き来しながら活動している格闘家の秋山成勲(韓国名:秋成勲〈チュ・ソンフン〉)氏(38)は、父親が立派な人物だったようだ。
 在日韓国人4世として大阪で生まれ育った秋山氏は、20代半ばまで韓国国籍だった。
 日本社会で韓国国籍のまま暮らしていくことがどれだけ大変なことか、知る人は少なくない。
 秋山氏は柔道の師範だった父親の意を受け、韓国代表としての五輪出場を目指した。
 24歳のとき韓国に来て、釜山市庁柔道部に入り、韓国代表選考会に臨んだ。
 だが、不可解な判定により、代表に選ばれることはなかった。

 秋山氏は「後から来た者への差別のために負けた」と悔しがった。
 そして日本に戻り、日本国籍を取得して、結局は日本代表に選ばれることになった。
 日章旗を胸に付けて出場した2002年の釜山アジア大会で、秋山氏は韓国の選手を破って金メダルを獲得した。
 自分を脱落させた韓国柔道界の判定が誤っていたことを、実力で示したというわけだ。

 秋山氏は2年前、MBCテレビのバラエティー番組『黄金漁場』の「ヒザ打ち道士」コーナーに出演した際、心境を打ち明けた。
 司会のカン・ホドン氏が
 「韓国の柔道界が、実力だけでなく、ほかに何かがなければ生き残れない世界だと思うか」
と質問したところ、秋山氏はためらわずこう答えた。
 「派閥が存在する。明らかに」

 未来創造科学部(省に相当)長官に一時内定しながら辞退したキム・ジョンフン氏(52)を覚えているだろうか。
 大学生の娘2人が昨年夏、語学研修のためソウルに来たという話を聞いた。
 毎年、夏休みや冬休みには韓国語を勉強していたが、昨年もそれを怠らなかったというわけだ。

 昨年の夏といえば、キム氏があらゆる個人攻撃を受け、満身創痍の状態で米国に戻った直後のことだ。
 当時、キム氏は母国に対する恨めしい思いでいっぱいだっただろう。
 そのような中でも、娘たちを韓国に行かせるというのは、感情的にはたやすく決断できることではなかったのではないか。
 キム氏は閣僚候補になる前も、辞退した後も、変わることなく「私を生んだ韓国を愛している」と語った。
 娘たちを韓国に行かせたことは、キム氏のいう「祖国愛」がうそではなかったことを示す証拠だ。

 米国のエリート社会の中心に近いというキム氏は、人事をめぐる審査の過程であらゆる個人攻撃を受けた。
 中央情報局(CIA)のスパイとして罵倒されたかと思えば、妻名義のビルが売春宿に使われているという疑惑まで浮上した。
 だが、このような疑惑は全て事実ではなかった。

 当時、キム氏をめぐる疑惑に言及したのは野党や左派だった。
 人事をめぐる審査だけにとどまらず、朴槿恵(パク・クンヘ)政権を揺るがそうという、政治的な攻勢の意味合いが強かった。
 その結果はあまりにもお粗末だった。
 派閥争いのせいで、韓国社会は祖国のために身をささげようとする人たちを追い出していることになる。

 結局、無難な学者を長官に起用した未来創造科学部は、平凡な官僚組織に成り下がってしまった。
 「未来」を「創造」するどころか、仕事をしているのかどうかも分からない、と指摘する声も出ている。
 1年前、キム氏を追い出したグループは「国家の自尊心を守った」と喜んだが、今の未来創造科学部を見ても満足するのだろうか。


 「猫ひろし」がカンボジア国籍をとってオリンピックのマラソン出場をめざしたが、これは失敗した。
 韓国人がロシア国籍をとってオリンピックを目指すのも合理的な選択であろう。
 今回はうまくいったようだ。
 もし、ここで負けたらこの選手、ボロクソに言われただろう。
 裏切り者」クラスの非難を受けることは当然覚悟していただろう。
 それでもオリンピックへ出たいという夢が勝ったということである。


朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/14 11:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/14/2014021401566.html

ソチ五輪:朴大統領、安賢洙の国籍変更で韓国スポーツ界に苦言
「安賢洙の国籍変更はスポーツ界の不条理が原因ではないか」
「派閥主義や序列主義について考える必要がある」
安賢洙「韓国に戻るかどうかは分からないが、今はロシアの方がいい」

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は13日、韓国国籍からロシア国籍に変更し、ソチ五輪のショートトラックにロシア代表として出場した安賢洙(アン・ヒョンス、ロシア名:ビクトール・アン)=29=について
 「安選手の問題は派閥主義、序列主義、審判の不正など、スポーツ界の底辺に流れる不条理や構造的乱脈に伴うものではないか、振り返る必要がある」
と述べた。

 朴大統領はこの日、教育部と文化体育観光部(いずれも省に相当)から業務報告を受けた席で
 「安選手はショートトラック選手としては最高の実力を持っているが、韓国では夢を実現できず他国で選手としての活動を続けている。
 その理由は何か」
と口火を切った上で上記のように指摘した。

 朴大統領はさらに
 「選手を発掘しておきながら差別するような指導者は、才能ある選手たちの素晴らしい力量を葬り、わが国のスポーツ競争力を自ら引きずり落としている」
 「文化体育観光部は選手たちが実力で評価される仕組みと、公正な審判を保証する対策を取りまとめ、スポーツ界の問題を必ず根絶してほしい」
とも述べた。

 朴大統領は
 「マイナー種目、社会体育、エリートスポーツが等しく発展できるようにし、国民体育時代と健康時代を切り開くに当たっては、スポーツが中心的な役割を果たせるようにしなければならない」
と訴えた。

 その上で朴大統領はソチ五輪に出場している韓国選手たちについて
 「これまでの4年間、血と汗を流しながらトレーニングを続け、自らの実力を遺憾なく発揮している」
 「五輪記録を打ち立てて優勝した李相花(イ・サンファ)選手は、下肢静脈瘤(じょうみゃくりゅう、静脈が膨らむ症状)や膝に水がたまるなどの症状で苦労してきたと聞いている。
 それでも最後まで最善を尽くした」
などと評価した。

 朴大統領の発言が伝えられると、ソチに滞在しているスケート連盟関係者の間には緊張が走った様子だった。
 ある関係者は「危機感を持っている」と述べ、別の関係者は「まずは(今も五輪が行われているので)6種目に出場する71人の選手たちに最高のパフォーマンスを発揮させることに焦点を合わせるしかない」と話した。
 安賢洙はかつて韓国代表選手選考の際にスケート連盟と対立し、2011年にロシア国籍を取得して今回の五輪に出場した。

 安選手はこの日、ロシア紙コメルサントとのインタビューで
 「韓国に戻る計画はあるか」
との質問に
 「分からない。
 私はここ(ロシア)の方がいいと思っている」
と述べた。
 その上で
 「韓国よりも愛しているかは分からないが、ショートトラックは本当に愛している」
と語った。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/14 11:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/14/2014021401555.html

【社説】安賢洙の国籍変更は八百長が原因だったのか

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は13日、文化体育観光部(省に相当)から報告を受けた席で、韓国国籍からロシア国籍に変更し、現在ソチ冬季五輪ショートトラックに出場中の安賢洙(アン・ヒョンス、ロシア名:ビクトール・アン)=29=選手について
 「安選手はトップレベルの実力を持つにもかかわらず、わが国では夢を実現できないため他国で選手生活を送っているが、その理由は何か」
 「彼の問題は派閥主義、序列主義、審判の不正など、スポーツ界全般の不条理や構造的問題などによるものではないか、あらためて振り返る必要がある」
と発言した。

 安選手は2006年のトリノ五輪で3冠王に輝き、03-07年には世界選手権で5連覇を達成するなど、韓国のショートトラック界では英雄的な存在だった。
 ところが10年のバンクーバー五輪に向けて09年に行われた選手選考試合では、7位と結果を残せず脱落した。
 その1年後の10年3月にブルガリアのソフィアで行われた世界選手権前の代表選考でも八百長問題が持ち上がり、その調査の過程において関係者の間から、実際に八百長を認めるかのような証言も出た。
 韓国選手が国際大会でメダルを獲得した場合、与えられる報奨金は決して少額ではなく、また男性の場合は兵役まで免除されることから、一部のコーチとその指導を受ける選手たちは、代表に選ばれるために買収や八百長を行っていたというのだ。

 安選手は2011年12月にロシア国籍を取得した。
 安選手の国籍変更について韓国のスケート関係者の間では「ショートトラック界における根深い派閥主義と八百長の犠牲者」と指摘する声も少なくないが、その一方で「安選手は負傷で代表から外された上に、所属チームも解散となったことから、ロシア・スケート連盟からロシア国籍取得の誘いを受けた際にこれを受け入れた」とする見方も根強い。
 記録ではなく順位争いを行うショートトラックでは、基本的にチームプレーはないため、順位をめぐって「八百長」と「チームとしての作戦」を見分けることが難しいとの指摘もある。

 スポーツにおいて公正な競争とフェアプレーが崩壊すれば、そのスポーツは生命を失う。
 スケート界はそもそも八百長という言葉が出ること自体を恥ずかしく思わねばならない。
 安選手が国籍変更に踏み切った背景については、今回の大統領の発言を待つまでもなく、以前から国民の誰もが関心を持ってきたことだ。
 スケート連盟は今回の五輪が終わった後も引き続き真相究明に取り組み、今後は同じような問題が繰り返されないよう対策を立てねばならない。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/12 11:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/12/2014021201977.html

ソチ五輪:「露代表」安賢洙が銅、韓国のネットは複雑な反応
ショートトラック1500mで銅、ロシア代表として初のメダル獲得
「ロシアの国旗を振ったときは悲しかったが、国籍がどこであれ応援」
プーチン大統領「真のオリンピアンとしての姿を見せた」

 ロシアの国籍を取得し、8年ぶりに五輪でメダルを獲得したショートトラックの安賢洙(アン・ヒョンス)=29、ロシア名:ビクトール・アン=選手は、ロシアのロック界で「伝説」とうたわれる高麗人(旧ソ連領内に住む朝鮮系の人々)3世のビクトール・チェ(1962-90)から名前を取った。
 ロシアで「韓国」と聞けば名前が思い浮かぶような人間になりたいと願ってのことだ。

 10日、ロシアの観客たちは、ショートトラック男子1500メートルで五輪初の個人戦のメダルをもたらした安選手の偉業に大歓声を上げた。
 安選手はロシアの国旗を掲げてこれに答えた。
 レース後の記者会見に臨んだ安選手は韓国語で
 「韓国の選手とメダル争いをしたが、彼らとの関係は決してぎこちないものではない。
 だが、そうした部分ばかり注目されてしまうことは後輩たちに申し訳ないと思うし、残念だ」
と述べた。
 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は11日
 「ロシア代表選手として、真のオリンピアンにふさわしい姿を見せてくれた」
とたたえた。

 韓国代表として2006年のトリノ五輪で3個の金メダルに輝いた安選手が、ロシア代表としてソチ五輪に出場しメダルを獲得したことについて、韓国のファンたちは複雑な思いをあらわにした。
 インターネット上では
 「国籍がどこであれ、これからも応援する」
 「オリンピックの夢を持ち続ける姿は素晴らしい」
などと、安選手に声援を送るコメントが多いが、1500メートル準決勝で安選手がパク・セヨン選手(20)=檀国大学=と接触し、3位に押しのけて決勝に進出したことについては、複雑な反応が少なくなかった。
 また「ロシアの国旗を振る姿を見て無性に悲しかった」というコメントもあった。

 安選手がロシア国籍を取得したのは2011年12月のことだ。
 それ以前に安選手が韓国代表として成し遂げた成果は輝かしいものだった。
 偏平足で運動能力もそれほど高くなかったにもかかわらず、ハイレベルなスケーティングの実力により、2003年から07年まで世界選手権大会で5連覇を達成した。

 だが、「安賢洙」は韓国ショートトラック界の深刻な問題とされている「派閥争い」をめぐる話題で必ず登場する名前でもある。
 2006年、米国で行われた世界選手権を終えて帰国した日、安選手の父親キウォンさんは
 「男子チームのコーチと選手らがグルになり、賢洙の邪魔をした」
と主張し、大韓スケート連盟の関係者ともみ合いになった。

 2008年1月、練習中に膝に重傷を負った安選手はその後、代表争いでことごとく苦杯をなめた。
 バンクーバー五輪の出場権を懸けた09年の代表選考では7位にとどまり、3回連続の五輪出場の夢を果たすことはできなかった。
 このとき、一部のコーチと選手がグルになり、それらの選手が全員代表に選ばれるよう「談合」をしたということが1年後に明らかになり、衝撃が走った。

 10年12月には、所属していた城南市役所チームも財政難を理由に解散に追い込まれ、安選手はロシアに目を向けた。
 当初は実業団に所属し、ロシア代表の強化のためのパートナーを目指そうとしたが、ロシア・スケート連盟は安選手にロシア国籍取得を勧めた。

 結局、安選手はロシア代表を目指すため、韓国国籍を放棄した。

 3回目の五輪となった今大会、ロシア代表となった安選手は、残る500メートルと1000メートルリレー、5000メートルリレーでメダル獲得を目指す。
 とりわけ、今シーズンのワールドカップでランキング1位となった500メートルは優勝が有力視されている。


 韓国人の偏狭思想は世界の嫌われ者にしている。
 日本人は相手の顔色をうかがい空気を読むことを意識している。
 韓国人は熱いため自己主張が強くなる。
 民俗意識の違いだろう。
 ただ、空気を読まないという姿勢が今後どう作用するかはまだ分からない。


ロイター 2014年 02月 17日 17:51 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYEA1G05W20140217

五輪=お家芸で勝てぬ韓国、金メダリスト流出で政界巻き込む論争に


●2月16日、ソチ冬季五輪の男子ショートトラック1000メートル決勝で、ロシア代表として出場した韓国出身のビクトル・アン選手(写真)が金メダルに輝いた。写真は15日撮影(2014年 ロイター/Shamil Zhumatov)

[ソウル 16日 ロイター] -
 ソチ冬季五輪は15日、男子ショートトラック1000メートル決勝を行い、ロシア代表として出場した韓国出身のビクトル・アン(韓国名:安賢洙=アン・ヒョンス)選手が金メダルに輝いた。
 金メダリストを失ったことで韓国国民の怒りの矛先は、同国スケート協会に向けられている。

 アン選手は2006年のトリノ大会に韓国代表として出場し、3つの金メダルに輝いた主力選手だった。
 しかしスケート協会との関係が悪化し、10年のバンクーバー大会では出場が認められなかった。
 結局、アン選手はロシア国籍を取得し、ソチ五輪を目指した。

 試合後、アン選手は国籍変更について
 「可能な限り最善の環境で練習したかった。
 自分の決断が間違っていなかったことが証明された」
と述べ、自らの判断を擁護した。

 アン選手の金獲得を受けて激怒した韓国の世論は、インターネットを中心にスケート協会の解散を求める動きに発展した。
 事態を重く見た韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は政府に対し、なぜアン選手が国籍を変更する事態に至ったのか、原因を究明するよう指示した。

 韓国は過去の五輪ショートトラックで通算19個の金メダルを獲得しており、いわば韓国の「お家芸」。
 しかし今大会では現在のところ銀1個、銅1個にとどまっている。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/17 11:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/17/2014021701653.html

「最高の復讐」 ビクトール・アンの活躍に溜飲下げる韓国社会



 ソチ五輪のショートトラック男子1000メートルで、国籍を変更してロシア代表として出場した元韓国代表のビクトール・アン(28)=韓国名・安賢洙(アン・ヒョンス)=が金メダルを獲得したことが韓国で思わぬ波紋を呼んでいる。

 安賢洙の金メダル獲得が決まった15日午後9時50分ごろ、大手検索サイト「ネイバー」の検索語ランキングのトップは「安賢洙」ではなく「スケート連盟」だった。

 大韓スケート競技連盟のウェブサイトは、殺到する抗議でダウン状態に。
 インターネット上では、安賢洙の金メダル獲得を祝福しながらも、スケート連盟を批判する書き込みが相次いだ。
 スケート界の派閥争いや対立が原因で、安賢洙がロシア国籍取得という道を選んだことがあらためて話題となり、韓国代表選手を破って金メダルを獲得した安賢洙には、「裏切り者」という非難ではなく、声援と歓呼が集まった。

 安賢洙のミニブログには16日だけで約4万件のアクセスがあった。
 そこには
 「韓国という国を忘れ、ロシアでさらに頑張ることを祈っている」
 「スケート連盟がじだんだを踏んで悔やむほどの最高の復讐(ふくしゅう)だった」
などという書き込みが続いた。

 専門家は今回の「安賢洙現象」について、
  韓国社会を「不公正な社会や対立が原因で夢を実現できない社会」
と捉える人々が多いことを示していると指摘し
 「国民が普段から感じている不満が安賢洙を通じて噴出し、安賢洙が不満を代わりに解消してくれたことに満足を感じているようだ
と分析した。

 ポータルサイトやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には「成功するためには国籍変更しなければならない」という発言まで飛び出した。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が最近、「安賢洙選手がロシア国籍で五輪に出場したことが韓国の持つ不条理さのせいではないかどうか考えるべきだ」と発言したことについて、あるツイッターユーザーは
 「大統領は安賢洙がロシアに行ったことが間違っていると怒るのではなく、人々が安賢洙のストーリーに留飲を下げていることを心配すべきではないか
と指摘した。

 このほか
★.「才能ある人間は、祖国を嫌ってではなく、組織に耐えられずに離れざるを得ないのが現実だ」
★.「(まだごく少数ではあるが、能力さえあれば)個人が国を選べる時代になったのかもしれない」
★.「安賢洙の業績は、彼が韓国の国民に強い刺激とインスピレーションを与えている点だ」
といった書き込みが相次いだ。

 さらには
★.「安賢洙だけでなく、才能ある人材はかなり前から大韓民国を離れていた」
として、韓国を「輸出大国」と皮肉る書き込みも。
 別のツイッターのユーザーは
★.「数千人に達する科学者が韓国の劣悪な環境と社会の不条理のせいで米国に滞在しており、米国のために心身を酷使しているのが現実だ」
と書いた。

 成均館大のキム・ソクホ教授(社会学)は
 「大衆は安賢洙が巨大な権力に対抗して勝利したと考えている
 平凡な人間は自分たちが抵抗できなかった壁を安賢洙が打ち崩してくれたと受け止めている」
と指摘した。

 ソウル大の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授(心理学)は
 「不公正な韓国社会に対する被害意識の一断面だ。
 自分が経験したシステムの不合理を安賢洙とスケート連盟の対立に当てはめ、韓国代表チームよりも安賢洙に熱狂する怪現象が起きた」
と話した。

 一方で、グローバル化の時代には国籍を変更する選手が少なくなく、過剰反応だという指摘もある。
 過去には2002年ソルトレーク五輪のショートトラック女子3000メートルリレーで金メダルを獲得した崔敏敬(チェ・ミンギョン)が06年トリノ五輪にはフランス選手として出場している。
 在日韓国人の元柔道選手、秋山成勲=韓国名・秋成勲(チュ・ソンフン)=は、韓国代表選抜戦で脱落し、日本国籍を取得。
 02年の釜山アジア大会で金メダルを獲得した。
 タジキスタン出身のサッカー選手でゴールキーパーの申宜孫(シン・ウィソン、旧名・サリチェフ)、カナダ出身のアイスホッケー選手、ブライアン・ヤング、マイケル・スウィフト(いずれもハイワン所属)など韓国国籍を取得した外国選手もいる。



サーチナニュース 2014-02-17 10:00

韓国ショートトラック勢「崩壊の原因」に人材流出と内部紛争
・・・「対策を講じなければ、次の五輪で優位性失う」=中国報道



 中国メディア・中国日報は16日、これまでの冬季五輪6大会で37枚の金メダルを獲得してきた韓国のショートトラック勢が、ソチ五輪では4競技を終えて金メダルゼロの状況であると伝え、
 「韓国チームはなぜ崩壊したのか
とする記事を掲載した。
  記事は、韓国国内では「人材の流出が優位性を失った大きな原因の1つ」と見られていると紹介。
 引退選手が続々と国外に高額の報酬で招かれ、本国の青少年育成が疎かになったうえ、数代にわたって築いてきた「韓国モデル」が国外に流出した現状を伝えた。
 また、韓国ショートトラック界において派閥争いなどの内紛が絶えず、人材の流出が全く食い止められる状況ではないとした。
 その典型的な「被害者」として、ロシアに帰化して今大会で金メダル、銅メダルを1つずつ獲得したビクトル・アンの名前を挙げた。
 記事はまた、韓国のスポーツ界における性的事件がより深刻化している状況も紹介。
 ソチ五輪開幕1カ月前に、女性選手にセクハラ行為を行ったコーチが解任される事態となったほか、2012年にもセクハラで訴えられたコーチがいたとした。
  そのうえで、韓国メディアが「なにがしかの措置をとらなければ、次の五輪ではショートトラックの優位性がなくなる」との見解でおおむね一致していると伝えた。

 この話題、なんと中国にまで飛び火!
 だはっはっつ!
 バカバカしさもここまでくればなんとも悲哀になる。


レコードチャイナ 配信日時:2014年2月17日 16時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=83503&type=0

<ソチ五輪>
元韓国人の露選手の活躍、中国の自己批判に発展「派閥争いは中国のお家芸」―中国版ツイッター


●17日、ソチ冬季五輪のスピードスケート・ショートトラック男子1500メートルの銅メダルに続き、1000メートルでは金メダルを獲得したビクトル・アンが注目を集めている。

 2014年2月17日、ソチ冬季五輪のスピードスケート・ショートトラック男子1500メートルの銅メダルに続き、1000メートルでは金メダルを獲得したビクトル・アンが注目を集めている。

 アン選手はトリノ五輪で安賢洙として韓国に3個の金メダルをもたらしたが、所属チームが資金問題で解散してしまったため、派閥争いの激しい韓国代表内で地位を失っていた。
 活躍の場を求めロシアに渡ったアン選手は、その後ロシア国籍を取得。
 これに対し、韓国では彼を「裏切り者」と批判する声も聞かれている。

 一方で、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は「どのような不公平な待遇がアン選手をロシアに向かわせたのか、スポーツ界は考える必要がある」と述べている。
 アン選手に関して中国のネットでは、アン選手に同情する声が多く、韓国の体制を批判する声が大半だった。
 さらに、中国スポーツ界の体制に関する批判も多く見られた。
 以下は中国版ツイッターの代表的なコメント。

★.「どうやら中国だけでなく、韓国も金メダル至上主義の様だな」
★.「人がいるところには必ず争いが存在する。
 中国でも派閥争いは激しい。
 韓国の様に表に出ていないだけのことだ」
★.「派閥争いの元祖は中国だ。
 利益のためにどれだけのアスリートが犠牲になったかわからない」
★.「中国はネットすら自由ではない封建国家だ。
 他国をとやかく言っている場合ではない」
★.「アン選手は本当に苦労したと思う。
 同情せずにはいられない。
 そんな苦境に打ち勝ち素晴らしい成績を残せたことを祝福する」
★.「派閥争いは中国のお家芸だ」



JB Press 2014.02.19(水)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39969

ソチ冬季五輪、韓国に「倍返し」したビクトル・アン
スケート連盟に反発してロシアに帰化、第2の母国に金メダル

 ソチ冬季五輪はもちろん、韓国でも高い関心を集めている。
 女子スピードスケート500mで李相花(イ・サンファ)選手が2大会連続で金メダルを獲得するなど明るい話題もあるが、圧倒的な関心を集めているのが、スケートのショートトラック男子1000mで金メダルを獲得したビクトル・アン選手(28)だ。

 ロシアにこの種目で初めて金メダルをもたらしたが、8年前のトリノ大会では韓国選手として出場し、3種目で金メダルを獲得した英雄でもあった。

■アン選手の活躍で大韓スケート連盟のホームページが炎上


●ショートトラック男子1000mでロシアに初の金メダルをもたらしたビクトル・アン選手〔AFPBB News〕
アンがショートトラック男子1000m制し通算4個目の金、ソチ五輪

 2014年2月10日、ビクトル・アン選手が最初の種目である1500mで銅メダルを獲得するや、韓国のネットが沸騰した。

 「どうして、ロシアに帰化させたのか」
 「誰の責任か」――。
 アン選手を称えながらも、大韓スケート連盟への批判が噴き上がった。

 5日後に、アン選手が韓国選手などを蹴散らして金メダルを獲得すると、ついに大韓スケート連盟のホームページには批判の書き込みが殺到し、「炎上」してしまった。

 韓国国籍を捨ててロシアに帰化し、韓国選手を破ったとなると、「国を捨てた男」として批判を浴びてもおかしくない。
 ところが、アン選手を称える声と、連盟を批判する声が上がっても、批判する声はない。
 みんな、この間の経緯を知っているからだ。

 何があったのか。

 アン選手は、韓国名が安賢洙(アン・ヒョンス)氏。幼い頃からショートトラック競技で注目を集め、ソウルの高校在学中に五輪代表選手になった。

 2006年のトリノ冬季五輪では3種目で金メダルを獲得。世界選手権も5連覇するなど「大看板選手」だった。

■「学閥の激突」に始まるトラブルの数々

 ところが、トリノ五輪代表の座を勝ち取るまでの間に、さまざまなトラブルがあった。
 最大の原因は、「学閥の激突」だった。
 アン選手の出身校は国立の韓国体育大学。
 サッカー、野球などのメジャースポーツ以外の種目で圧倒的な影響力を持つ学校だ。
 連盟幹部やコーチなども体育大出身が占め、他校出身の選手やコーチとの間で軋轢があったという。

 トリノ冬季五輪前には、アン選手が他校出身の選手から暴行を受けたと報じられたこともある。
 トリノ五輪前には、正常なナショナルチームの練習ができず、選手は自分の出身校OBのコーチとばらばらに練習する異常事態になった。

 トリノ五輪3冠でいったんは英雄になったアン選手だが、直後に米国で開催された世界選手権大会でひと騒動あった。

 3000m競技決勝は、韓国勢同士の争いになった。
 アン選手と他大学に通う選手が接触し、1位目前でこの選手が転倒。
 アン選手も失格となった。
 帰国後、アン選手の父親が仁川国際空港で「息子は他校出身者の妨害に遭った」として連盟幹部と言い争いになり、もみ合う事件まで起きた。

 アン選手の「災難」はこれでは終わらない。
 2008年に練習中に負傷。
 さらに所属チームが突然解散する事態に見舞われる。
 さらには、連盟幹部や選手の間でアン選手を外そうという動きが表面化した。

 怪我で調整に苦しみながらも、2010年のバンクーバー冬季五輪出場を目指していたアン選手だが、突然、代表選考大会の日程が変更になって苦境に立たされる。

■「談合」でエース勝たせる慣行にノー、実力勝負を訴えたら選抜外され・・・

 韓国メディアは当時も、「スケート連盟の派閥争いに巻き込まれた」と報じていた。
 「朝鮮日報」は、ショートトラック強国・韓国の特徴の1つを、コーチの強力なリーダーシップで「エースを勝たせるためには、他選手を犠牲にしてでも競技をさせたこと」と報じた。
 エース選手を勝たせるため、他の選手には、自分の成績を二の次にして他国の選手を牽制(時には妨害)することに全力を挙げさせたというのだ。
いわば「談合」だ。


●現ビクトル・アン選手(右)は韓国のお家芸であるショートトラックで数々の勝利を国にもたらす英雄だった〔AFPBB News〕

 選手育成、選手選抜、そして競技戦略まですべてにコーチ陣が圧倒的な力を持つ。
 体育大ラインは、トリノ五輪ではアン選手を優勝させるために全力を尽くした。

 他校出身者からすれば、「今度は自分たちの番」というわけだったのか。
 実力勝負を訴えたアン選手だが、「大人の論理」がこれを抑え込み、バンクーバー冬季五輪には出場できなかった。

 ある韓国紙デスクはこう説明する。
 「アン選手は金メダルを3つも取ったのだから・・・という声が出ていたのは確かだ。
 韓国が圧倒的に強い種目では、世代交代をどんどん進めなければならないし」

 アン選手が、「ボス的存在」だった連盟幹部が大学院進学を進めたにもかかわらず、高額の契約金を得て実業団チームに入ったことなどもトラブルの原因だったようだ。

 トリノ五輪の英雄だが、その後は思うような選手生活を送れなかったのだ。

 2011年、ソチ冬季五輪に向けて選手強化を図るロシアの誘いを受け、アン選手は帰化を決める。
 金メダルを獲得したことで韓国政府からは終身年金が約束されていたが、これを一時金の形で受け取ってロシア行きを決断した。

 つまりアン選手は、追われるように韓国を離れた。
 ソチ大会は、何としても勝ちたい「リベンジ」の場だったのだ。

 スポーツ界での学閥、暴力などは、韓国だけにある問題ではない。
 日本でも、いくつかの種目でここ数年だけでも何件のスキャンダルが噴出したか。

 ロンドン五輪の金メダリストが、新天地を求めて海外に行ったこともあった。

 日本でもその時は大きな問題になったが、韓国での「アン問題」の衝撃はもっと大きいようだ。

 1つは、韓国が得意の種目のテレビ中継で、韓国選手を抑えて金メダルを獲得した選手が、韓国人なら誰でも知っている「かつての英雄」だったことだ。

 アン選手が、ロシア国旗を振り、表彰式でロシア国家を口ずさむ姿は、やはり衝撃的だった。

 このことが、連盟への強い批判となって表面化したのだろう。

■朴槿恵大統領の発言で社会問題化

 もう1つ、朴槿恵(パク・クネ)大統領の発言も大きかった。

 アン選手が1500m競技で銅メダルを獲得したのが2月10日。その3日後の13日に開かれた教育部、文化体育観光部からの新年業務報告会議で、朴槿恵大統領は首相や閣僚を前にこう話したのだ。

 「アン選手は、ショートトラック競技で最高の実力を持っているのに、我が国では自分の夢を実現できないと、他の国へ行って選手として活躍している。
 その理由は何なのか。
 派閥主義、審判の不正など体育界全体に横たわる構造的な問題によるものではないのか。
 一度、省みる必要がある。
 選手を選抜する際に差別をするような指導者がいるのだとしたら、優秀な人材をだめにし、さらに、我が国の体育競争力を引き下げていることになる」

 大統領がここまでこと細かに、「学閥問題」「選手選考問題」などに踏み込んで発言したことで、メディアも大きく報じた。
 この直後に、アン選手が金メダルを獲得したことで、主要紙は社説まで掲げてこの問題を論じることになった。 

 もはや、単なるスポーツ界の問題ではなく、社会全体の問題になってしまった。

 「朝鮮日報」は、「韓国はなぜ、祖国を愛する人を追い出すのか」という大きなコラムを掲載した。

 アン選手のほか、柔道の韓国代表選手を目指したが「不可解な判定で」敗れた秋山成勲氏、
 朴槿恵政権で未来創造科学部長官に内定しながら根拠不明の批判を浴びて辞退に追い込まれた韓国系米国人の経済人などの例を引いて、韓国に根強く残る派閥的、排他的な慣行を嘆いて見せた。

 アン選手に限らず、韓国のシステムに適応できず海外に飛び立つ、若者、経済人、研究者は多い。
 逆に、韓国の大企業が、三顧の礼で迎えた外国人研究者が、わずか1~2年で会社を去る例も頻発している。

■「自分の国が窮屈で海外に出ていく国民」

 米国に100万人、中国に10万人、ベトナムにも10万人・・・。
 世界に活躍の場を求める韓国人が急増している。

 よく言えば、韓国のグローバル化の先兵であるが、「自分の国が窮屈で海外に出ていった国民も多い」(韓国紙デスク)ことも事実だ。

 アン選手の問題に関心が高いのは、こうした社会全体に見られる現象があるのかもしれない。

 だが、ヒステリックに連盟を批判しただけでは、何も解決しないだろう。

 そもそも、韓国のスポーツ界の強さの源泉は、
 強いコーチや連盟幹部、学閥、素早い世代交代と、とにかくメダルを取るという目標を最優先に掲げたやり方
にあったはずだ。

 今まで、そういう選手を熱狂的に応援してきたのに、突然
「これまでのやり方に問題がある」というのもどうか。
 
 お家芸のショートトラック競技だが、ソチ大会では韓国選手の不振が目立つ。
 競技以外のことに関心が集まって、チーム全体が動揺しているからではないか。

 ソチ五輪前半戦。
 韓国で圧倒的な存在感を示したのは、ビクトル・アン選手なのだ。

玉置 直司 (たまき・ただし)Tadashi Tamaki
日本経済新聞記者として長年、企業取材を続けた。ヒューストン支局勤務を経て、ソウル支局長も歴任。主な著書に『韓国はなぜ改革できたのか』『インテルとともに―ゴードン・ムーア 私の履歴書』(取材・構成)、最新刊の『韓国財閥はどこへ行く』など。2011年8月に退社。現在は、韓国在住。LEE&KO法律事務所顧問などとして活動中。



【「反日という媚薬」に蝕まれる韓国】


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