『
サーチナニュース 2014-05-03 12:05
http://news.searchina.net/id/1531472
韓国旅客船沈没事故、「中古船舶取引サイト」に登録されていた「セウォル号」
・・・販売価格は1ドル=韓国
韓国南西部・珍島(チンド)沖で沈没した旅客船「セウォル号」が、事故が起きる1カ月前に、複数の中古船舶取引サイトに登録されていたことが分かった。
「セウォル号」は韓国で就航してから1年しか経っておらず、運航する「清海鎮(チョンへジン)海運」が事前に何らかの欠陥があることを認識していたのではないかとの疑惑が浮上している。
複数の韓国メディアが報じた。
韓国メディアは4月30日、米国の船舶取引サイト「BOATS.com」にセウォル号が「1994 RORO Passenger/Cargo Ferry Coastal Service(旅客貨物運航船)」として掲載されているのを確認した。
RORO(Roll-on Roll-off)は自動車やトラックを積載できる船舶を指す。
販売価格は「1ドル」だった。
船の情報欄を見ると、依頼者は「Ship-Broker」となっているが、詳細情報をクリックするとセウォル号(M/F SEWOL)の名前や、1994年に日本で建造されたこと、現在は仁川―済州島航路を運航していること、乗客数や積載車両などの具体的な情報が表示された。
依頼者のShip-Brokerは、オーストリアの中古船舶サイト「SHIP-BROKER.EU」とみられ、同サイトに3月7日に掲載されたセウォル号に関する情報と同じだった。
また「YACHTWORLD.COM」にも同様の情報が掲載されていた。
しかし沈没事故発生後、「SHIP-BROKER.EU」と「YACHTWORLD.COM」のサイトからはセウォル号に関する情報が消え、「BOATS.com」もメディアからの指摘を受けて削除した。
ウェブ情報専門家のウィリアム・ムン氏は、韓国メディアの取材に
「1ドルでの販売は、急いで売却しようという売り手側の状態を表しているようにみえる。
無理な増築による復原力(傾いた船舶を正常の位置に戻すように働く力)の喪失など、
船舶に問題があると認識していたからこそ格安で販売しようとしたという意図があるとの可能性や、
売却契約を誰かと進めているため象徴的な価格を表記した可能性もある」
と伝えた。
清海鎮海運はセウォル号を2012年10月に日本のマルエーフェリーから116億ウォン(約11億円)で購入し、30億ウォン(約3億円)をかけて増築。
2013年3月に就航した。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/05/15 10:53
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/15/2014051501304.html
【社説】造船大国の名誉を懸けて優れた旅客船を造れ
韓国政府は旅客船「セウォル号」を運航していた清海鎮海運に対し、仁川と済州島を結ぶ旅客船運航の免許を12日付で取り消した。
これを受けてこの航路には今後新たな事業者が参入する見通しだが、その場合も今回の清海鎮海運と同様、海外で製造された中古のカーフェリーを使わざるを得ない状況だという。
長距離を運航する旅客船を製造するには、最低でも700億-800億ウォン(約69-79億円)は必要だが、韓国国内にこれを負担できるような運航会社はない。
韓国国内では66の旅客船運航会社が国内の95航路で173隻の船を運航している。
しかし年間の売上総額は2012年の時点で3268億ウォン(約324億円)にとどまっており、これは1社当たりの平均にすると50億ウォン(約5億円)程度にしかならない。
しかも全体の70%が資本金10億ウォン(約9900万円)以下の零細企業だ。
このように小規模の運航会社が乱立する状況では、いくら安全に関する規制を強化しても、本当に安心して利用できる旅客船を確保することなどできないだろう。
新しい船を建造する費用の10-20%で海外から中古の船を購入できるのだから、資金力に乏しい運航会社が新しい船を発注することなど考えられない。
実際に韓国国内で運航中の1000トン以上の沿岸旅客船17隻のうち、15隻は海外から買い取った中古の船だ。
韓国国内の沿岸旅客船利用者数は年間1500万人近くに達している。
そのうち75%は本土から島に向かう観光客だ。
都市で運行する地下鉄や路線バスの場合、政府や自治体が財政支援を行っているため、実質的に半分は国営や市営のようなものだ。
つまりこれらは「公共交通機関」であるため税金で支援が行われているわけだ。
一方で沿岸旅客船を運航する会社に税金から支援を行うとなれば、何か違和感を持つ人も多いだろう。
だからといって自力で経営するよう放置したままでは、海上航路全体の基盤がさらに脆弱(ぜいじゃく)になる恐れもある。
沿岸旅客船の乗務員8200人のうち、41%が60歳以上と高齢化も進んでいる。
若くて有能な人材をこの分野で育てることができなければ、乗客の安全確保もそれだけ難しくなるはずだ。
日本は1990年代の終わりごろ、政府と旅客船運航会社が船の建造費を一定の割合で負担し合って、完成した船の所有権を分け合う制度が導入され、これによって規模の小さい運航会社も簡単に新しい船を確保できるようになった。
具体的には政府が船体価格の70-90%、会社側が10-30%を負担し、その割合に応じて利益を分け合うというものだ。
日本では離島航路で運航される船の86%がこの方式によって製造されたものだ。
世界1位の造船大国などと誇ってきた韓国の造船メーカー各社は、韓国国内には実際に船の価格を支払えるだけの海運会社が存在しないため、旅客船の建造を事実上放棄している。
しかし政府が船舶金融制度をうまく活用すれば、それほど高価ではなくともしっかりとした旅客船は建造できるはずだ。
政府と造船業界、海運業界が知恵を出し合い、先進国レベルの旅客船を建造し沿岸航路に投入する方策を今後ぜひとも考え出さねばならない。
また旅客船を利用する際の料金が、過度に低く抑えられているとの指摘も根強い。
離島で生活し旅客船を利用せざるを得ない島の住民に対しては、今と同じように料金を低く抑える一方で、観光客からは船の運航に必要な経費を賄えるだけのまともな料金を徴収する方向で検討を進めていくべきだろう。
』
_